マッキンタイヤ : ニュージーランドの土地保有制度

書誌事項

タイトル別名
  • H. D. MACINTYRE : Land Tenure Systems
  • ニュージーランドの土地保有制度〔含 コメント,討論〕
  • ニュージーランド ノ トチ ホユウ セイド ガン コメント,トウロン

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抄録

ニュージーランドの土地保有には王有地または国有地,マオリの土地,フリーホールド〔自己所有地〕の三カテゴリーがある。現在国土の60%が国有地,34%がフリーホールド,6%がマオリ保有地である。1800万haの農用地のうち約800万haが借地契約のもとに保有されている。借地期間には幅があり,中には永久借地(999年間)のように,イギリスではとっくの昔に廃止されたがニュージーランドでは法的に生きているものもある。保有は利用を意味し,多くの場合はこれは法的に統制されている。すなわち外国人所有の制限,鉱業権の付与,建築許可の発行,改良補償の設定ないしは同様の補償の用意である。わが国の資源は効果的に利用されるべきであり,わが国の略奪を回避すべきであるならば,利用は重要なテーマである。マオリの土地保有はもはや征服・相続・婚姻や占有によるものではない。今日マオリの土地所有権は,たとえ不均等な複合所有権が一般的であるにしても,本質的にはマオリにとってはパケハ〔白人〕よりも重要な意義を有する。わが国の土地保有制度は十分よく適合してきたけれども,特定場所への一般市民の出入りといったような観点は研究さるべきであり,実際に研究されてもいる。これに関する土地利用を無視することはできない。最後に土地の国有化については,長所も短所もあげられるであろうが,私はこれを支持しない。

収録刊行物

  • 地理科学

    地理科学 38 (3), 150-161, 1983

    地理科学学会

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