書誌事項
- タイトル別名
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- Root system development of onion as affected by water table levels and their changes
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説明
地下灌漑の効果とその制御上の留意点を明らかにするため,地下水位の高低および変化がタマネギの地上部および根系の生育に及ぼす影響について調べた.淡色黒ボク土を充填したステンレス枠で-30cmおよび-40cmの地下水位を設定し,地表からの灌水は少量(平年降水量の25%相当)としてタマネギ‘もみじ3号’を栽培した.対照区は,平年降水量と同程度の量で地表灌水を行った.-30cm区では-40cm区よりも表層(10cm)の体積含水率が高かった.-30cm区および-40cm区の土壌水ポテンシャルは,対照区よりも高い値で推移した.水位が高いほどタマネギの根域がより浅い層に制限され,根長が短くなった.収穫期の葉新鮮重と最大葉長は-40cm区>対照区>-30cm区の順に大きく,最大葉長の差は球肥大盛期に生じた.球重には処理による差はみられず,球乾物率は-30cm区でやや高かった.また,ポット栽培において異なる生育ステージで水位上昇処理を行ったところ,茎葉伸長期区では各器官にわずかに生育促進効果がみられたが,球形成期区では葉および根の生育が阻害された.根箱栽培において,球肥大盛期の水位上昇により根先端から壊死した.したがって,少雨条件下でタマネギ根群発達域より低い地下水位で維持すると,十分な降雨がある場合と同程度の球重を得ることができると考えられる.しかし,球形成期以降の水位上昇は,根系の発達を阻害し,地上部生育を抑制する.
収録刊行物
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- 根の研究
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根の研究 21 (3), 63-71, 2012
根研究学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204442435840
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- NII論文ID
- 10031117801
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- NII書誌ID
- AA11272904
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- ISSN
- 18807186
- 09192182
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可