項目反応理論を利用した項目関連構造分析

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タイトル別名
  • Item Relational Structure Analysis Using Item Response Theory
  • コウモク ハンノウ リロン オ リヨウ シタ コウモク カンレン コウゾウ ブンセキ

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抄録

テストの項目の依存関係を調べるために,竹谷 (1980) の項目関連構造(IRS)分析がしばしば用いられる.IRS分析では,ある項目に誤答し別の項目に正答した受検者の数を,二項目が独立な場合の期待度数と比較して,項目間の順序関係の有無を検討している.しかしIRS分析には,(1)依存関係の有無の閾値に明確な基準がないため,閾値によって結果の解釈が異なる,(2)独立な内容を問う二項目でも,受検者の能力を強く反映していれば依存関係が検出される可能性がある,という問題がある.本稿では,期待度数の計算にChen and Thissen (1997) の方法を利用することで,閾値を統計的に決定でき,かつ受検者の能力の影響を考慮できるIRS分析法を提案した.数値実験により提案手法と従来のIRS分析を比較した結果,提案手法は,様々な閾値の従来手法と比べて,依存関係の誤検出だけでなく,依存関係の検出漏れも少ないことがわかった.しかし,統計的に統制できるはずの誤検出の割合が十分に統制できていないことも同時に明らかになった.また,実データに適用した結果より,依存関係が多いテストでは解釈に注意が必要な結果が得られてしまう可能性が示唆された.

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