多変量小標本下での比較 Dempsterの近似検定における有効次元推定法

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タイトル別名
  • Comparison of Highly Multivariate Small Samples
  • タヘンリョウ ショウヒョウホン カ デ ノ ヒカク Dempster ノ キンジ ケンテイ ニ オケル ユウコウジゲン スイテイホウ
  • Dempsterの近似検定における有効次元推定法

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抄録

多変量2標本問題において,変数の数が,個体の数に比して相対的に大きい場合,十分な誤差の自由度が確保されないため,HotellingのT2統計量による検定を行うことはできない.Dempster(1958)の近似検定は,このような状況に対処するための手法である.近似検定は,F統計量に基づく検定であり,その自由度は,推定により得られた有効次元により決められる.よって有効次元の推定は,近似検定において極めて重要である.有効次元は,多変量球状正規分布の次元の(理論的ではなく)概念的な拡張であり,その推定法の挙動を解析的に求めることは困難である.本報告では,有効次元の推定法の概念を正準形式に基礎を置いて多変量分散分析の枠組みの中でまとめた後,4種のモーメント法および2種の最尤法による有効次元推定法をいくつかの状況のもとでシミュレーションにより,比較検討を行った.その結果,有効次元を理論的に定義できるときには,角度および長さと角度に基づく有効次元の推定法が良好な性能を示すこと,さらに有効次元を1次と2次のモーメントで近似的に定義した場合には,分布の球状から乖離が大きい場合,いずれの推定法も有効次元を過大評価しがちであること,長さと角度に基づく有効次元の推定法は,正準形式の任意性の影響をあまり受けないことが示された.

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