大血管手術後にプロポフォール注入症候群による横紋筋融解を発症したと考えられる一症例

  • 平井 昂宏
    名古屋大学大学院医学系研究科麻酔・蘇生医学分野
  • 貝沼 関志
    名古屋大学医学部附属病院外科系集中治療部
  • 林 智子
    名古屋大学大学院医学系研究科麻酔・蘇生医学分野
  • 長谷川 和子
    名古屋大学大学院医学系研究科麻酔・蘇生医学分野
  • 青山 正
    名古屋大学大学院医学系研究科麻酔・蘇生医学分野
  • 水野 祥子
    名古屋大学大学院医学系研究科麻酔・蘇生医学分野
  • 鈴木 章悟
    名古屋大学大学院医学系研究科麻酔・蘇生医学分野
  • 西脇 公俊
    名古屋大学大学院医学系研究科麻酔・蘇生医学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Rhabdomyolysis due to propofol infusion syndrome after aortic surgery: a case report

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抄録

プロポフォール注入症候群(propofol infusion syndrome, PRIS)は,プロポフォール使用中に横紋筋融解,急性腎傷害(acute kidney injury, AKI),乳酸アシドーシス,脂質異常症などを来す症候群である。早期にPRISを疑いプロポフォール中止によって救命できた一例を経験した。症例は44歳の男性,スタンフォードA型大動脈解離に対して弓部置換術を行った。術後にプロポフォールを用いて鎮静を行っていたところ,血液生化学検査でCKが15,247 IU/lまで上昇し,AKI,乳酸アシドーシスを認めたためにPRISを強く疑った。プロポフォールの投与中止によりCKは速やかに減少し,AKI,乳酸アシドーシスも改善した。後に撮影されたCTで大腿から臀部の筋内に高吸収域を認め,横紋筋融解後の変化があった。プロポフォールの長期投与中はCK,pH,乳酸値などを定期的にモニタリングし,PRISを疑った場合は早期に他の鎮静薬への変更が必要であると考えられた。

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参考文献 (9)*注記

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