持続的血液透析中にtorsades de pointesを生じたフッ化水素中毒の1例

  • 一二三 亨
    独立行政法人国立病院機構災害医療センター救命救急センター
  • 渡邉 善寛
    独立行政法人国立病院機構災害医療センター救命救急センター
  • 吉岡 早戸
    独立行政法人国立病院機構災害医療センター救命救急センター
  • 長谷川 栄寿
    独立行政法人国立病院機構災害医療センター救命救急センター
  • 原口 義座
    独立行政法人国立病院機構災害医療センター救命救急センター
  • 加藤 宏
    独立行政法人国立病院機構災害医療センター救命救急センター
  • 小井土 雄一
    独立行政法人国立病院機構災害医療センター救命救急センター
  • 本間 正人
    鳥取大学医学部救急災害医学分野

書誌事項

タイトル別名
  • A case of torsades de pointes on continuous hemodialysis in a patient with acute fluoride intoxication

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説明

症例は39歳の男性。塗装作業中にタイル洗浄用クリーナー(フッ化水素酸1.3%,フッ化アンモニウム10%を含有)を誤飲し,当院へ救急搬送された。胃管より牛乳を投与した後,ICUに入室した。フッ化水素中毒による低Ca血症に対しては,グルコン酸カルシウムを静脈投与した。また来院4時間後頃より血清K濃度が急激に上昇したため,continuous hemodialysis(CHD)を施行した。来院7時間後にtorsades de pointes(TdP)が生じたが,硫酸マグネシウム2 gを投与したところ,洞調律に回復した。TdPが生じた時の血清Mg濃度は0.8 mg·dl−1と著明な低値であり,これがTdPの原因の1つと考えられた。これは,透析液中のMg濃度が1.2 mg·dl−1と,慢性腎不全患者を対象として低値に設定されているために,フッ化水素中毒による低Mg血症に加えて,CHDによりさらに低Mg血症が悪化した可能性が考えられた。

収録刊行物

参考文献 (21)*注記

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