リスクの視点に立った既存不適格木造住宅の実効ある耐震改修戦略(構造物の信頼性)

書誌事項

タイトル別名
  • Effective Upgrading Strategies for Old Wooden Houses based on Risk Assessment(Application of Reliability Engineering to Structures)
  • リスクの視点に立った既存不適格木造住宅の実効ある耐震改修戦略
  • リスク ノ シテン ニ タッタ キソン フテキカク モクゾウ ジュウタク ノ ジッコウ アル タイシン カイシュウ センリャク

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抄録

巨大地震に備えた耐震改修の促進は,国や地方自治体の政策目標の一つに挙げられているが,進捗状況は芳しくない.その理由の一つに,所有者にとっての経費負担が大きいことが挙げられる.多くの自治体では,耐震改修に対する補助金制度を設けているが,改修後の耐震診断評点が現行基準レベルの1.0を越えなければならないことや,補助金に上限があるなど,いくつかの制約がある.限られた予算の中で効率良く改修促進を図るには,どのような戦略をとるべきなのか.筆者らは,木造住宅を群として考える行政の立場に立ち,「リスクの視点」から実効ある耐震改修戦略について検討を重ね,生命を守るという観点からは,改修時の目標耐震強度を0.6〜0.7程度としても十分な効果があることを示した.このような研究成果に基づき,行政や大学等が連携した愛知建築地震災害軽減システム研究協議会は,愛知県知事および名古屋市長に,補強後の評点が1.0以下でも補助金の支給対象とするよう「生命を守る木造住宅耐震補強補助制度に関する提言」を行った.名古屋市は2009年4月より段階的耐震改修としてこの提言を採用し,また,このような動きは,岐阜県や一宮市など近隣の自治体へと広がっている.

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