人工衛星の軌道上信頼性 : その現実と展望(<特集>航空・宇宙システムの安全性,信頼性)

書誌事項

タイトル別名
  • Spacecraft Reliability on Orbit : Its Reality and Perspective(<Special Survey>Safety and Reliability of Aerospace Systems)
  • 人工衛星の軌道上信頼性 : その現実と展望
  • ジンコウ エイセイ ノ キドウ ジョウ シンライセイ : ソノ ゲンジツ ト テンボウ

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抄録

非修理系の典型とも言える人工衛星は,搭載機器に冗長系の導入等により,偶発故障への対策を十分行なってきた.このような信頼性確保の方法が有効なものであるかを実証するために,実際の人工衛星の軌道上故障の分析を行なって信頼性の現実を統計的に調査した.その結果では,軌道上における衛星故障のうち,偶発故障は11%程度を占めるにすぎず,設計不良・不足が約57%,製造不良が約32%を占めている.また,偶発故障の発生数は,米軍規格MIL.217の信頼度計算の予測下限程度に相当するものの,その8倍程度の設計・製造に原因のある故障が発生している.従来の衛星信頼性工学は,電子部品の偶発故障が支配的である事を前提としたものであったが,今後は,設計,製造,試験検証の不完全さを前提とした衛星の信頼性工学への変革が必要である.

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