先天性心疾患手術を受ける乳幼児を持つ母親の思い : 術前に自宅療育経験のある母親の場合

書誌事項

タイトル別名
  • Feelings of Mothers with Infants Undergoing Cardiac Surgery : In the Case of Mothers who have Cared Their Children at Home before Surgery
  • センテンセイ シンシッカン シュジュツ オ ウケル ニュウヨウジ オ モツ ハハオヤ ノ オモイ ジュツゼン ニ ジタクリョウイク ケイケン ノ アル ハハオヤ ノ バアイ

この論文をさがす

抄録

本研究は、先天性心疾患手術を受ける乳幼児を持つ母親が術前に自宅療育経験のある場合、"子どもの心臓手術"に対して抱く思いを明らかにするために行った。参加者10名から得たデータをグラウンデッド・セオリー・アプローチにより分析した。その結果、母親は手術を子どもが生きるための【乗り越えなければならない課題】と捉えていたが、手術室入室時には【子どもの命や子どもの普通の生活が失われる恐れ】として感じていた。それは自宅で子どもの生活全般をみてきた母親が一瞬でその役割を失い、【何もしてやれない】立場に立たされる瞬間でもあった。【子どもの命や子どもの普通の生活が失われる恐れ】を強く感じつつ【何もしてやれない】思いは、ICU管理中も続いた。ICU退室の頃には【子どもが安全圏に入ったと感じたことによる安堵】を感じ、一般病棟で共に過ごす生活の中で子どもが自分の手に戻った実感を得て【何もしてやれない】思いも薄れた。最終的に、手術の成功や入院している他の子どもと母親から得た力を【再スタートへの糧】とし、母親は退院後の新たな療育生活へと視点を向けていた。

収録刊行物

被引用文献 (6)*注記

もっと見る

参考文献 (12)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ