オピオイドによる内分泌機能異常

  • 田渕 優希子
    大阪大学大学院医学系研究科内分泌·代謝内科学
  • 安田 哲行
    大阪大学大学院医学系研究科内分泌·代謝内科学
  • 北村 哲宏
    大阪大学大学院医学系研究科内分泌·代謝内科学
  • 大月 道夫
    大阪大学大学院医学系研究科内分泌·代謝内科学
  • 金藤 秀明
    大阪大学大学院医学系研究科内分泌·代謝内科学
  • 井上 隆弥
    大阪大学大学院医学系研究科麻酔·集中治療医学講座
  • 中江 文
    大阪大学大学院医学系研究科麻酔·集中治療医学講座
  • 松田 陽一
    大阪大学大学院医学系研究科麻酔·集中治療医学講座
  • 植松 弘進
    大阪府立呼吸器·アレルギー医療センター麻酔科
  • 真下 節
    大阪大学大学院医学系研究科麻酔·集中治療医学講座
  • 下村 伊一郎
    大阪大学大学院医学系研究科内分泌·代謝内科学
  • 柴田 政彦
    大阪大学大学院医学系研究科疼痛医学寄附講座

書誌事項

タイトル別名
  • Endocrine dysfunction induced by treatment with opioids
  • オピオイド ニ ヨル ナイブンピ キノウ イジョウ

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説明

近年,非がん性慢性痛に対するオピオイド処方の選択肢が広がったことにより,オピオイドによる内分泌機能異常発症に留意する必要性がある.内分泌機能異常としては性腺機能低下症が最も多いが,副腎機能低下症や成人GH(成長ホルモン)分泌不全症の報告例も散見される.これらの内分泌機能異常は単に患者のQOLを低下させるのみならず,さまざまな代謝異常,臓器障害を呈し,時に生命の危機にかかわる病態へと進展することもある.現時点で,これらの内分泌機能異常がどのような患者に惹起されやすいかは明らかではなく,また内分泌異常の診断も必ずしも容易ではない.しかし,これらの内分泌機能異常はオピオイドの減量,中止,あるいは非オピオイド系鎮痛薬への変更,ホルモン補充療法により改善可能な病態であることから,オピオイド投与中の患者において決して見逃してはならない副作用の一つと考えられる.オピオイドによる内分泌機能異常について基礎医学的および臨床医学的見地から解説する.

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参考文献 (38)*注記

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