硬膜外カテーテル留置後の硬膜外血腫管理プロトコール施行前後で異なった転帰をとった硬膜外血腫の2症例

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タイトル別名
  • Two cases of epidural hematoma had different outcomes before and after implementation of a protocol to manage epidural hematomas following epidural anesthesia
  • 症例 硬膜外カテーテル留置後の硬膜外血腫管理プロトコール施行前後で異なった転帰をとった硬膜外血腫の2症例
  • ショウレイ コウマク ガイ カテーテル リュウチ ゴ ノ コウマク ガイ ケッシュ カンリ プロトコール シコウ ゼンゴ デ コトナッタ テンキ オ トッタ コウマク ガイ ケッシュ ノ 2 ショウレイ

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抄録

<p>発見の遅れによる硬膜外血腫の後遺症を経験し,硬膜外カテーテル留置症例における管理プロトコールを作成した結果,その後発生した硬膜外血腫を早期に発見,治療できた症例を報告する.症例は80代男性,硬膜外麻酔併用全身麻酔下に行った横行結腸切除術の翌日に右下肢の知覚鈍麻と麻痺が出現した.症状は進行し,第3病日に撮影したMRIで硬膜外血腫を認め血腫除去術を行ったが,下肢の知覚鈍麻,麻痺,膀胱直腸機能障害の後遺症が残った.この経験から,硬膜外麻酔に関する注意事項を詳細に規定し,管理プロトコールを作成,遵守するよう徹底した.それより5年後,70代男性の腹膜播種による十二指腸狭窄に対し,硬膜外麻酔併用全身麻酔下にバイパス手術を施行後,4病日に突然の背部痛とTh10以下の知覚鈍麻,対麻痺が出現した.ただちにプロトコールに則って関係診療科に連絡がなされ,緊急MRIで硬膜外血腫と診断し血腫除去術を行った.迅速な対応により神経学的所見は完全に回復し,後遺症を回避しえた.硬膜外カテーテルを留置する際,硬膜外血腫の予防のみならず,血腫発生時の早期対応が重要である.</p>

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