電気痙攣療法を受療する慢性痛患者とその他の慢性痛患者の心理的諸問題に関する比較

  • 小林 如乃
    東京都保健医療公社荏原病院麻酔科 早稲田大学大学院人間科学研究科心身医学研究室
  • 米良 仁志
    東京都保健医療公社荏原病院麻酔科
  • 野村 忍
    早稲田大学人間科学学術院健康福祉科学科

書誌事項

タイトル別名
  • Mental problems in chronic pain patients with and without electroconvulsive therapy
  • デンキケイレンリョウホウ オ ジュリョウスル マンセイツウ カンジャ ト ソノタ ノ マンセイツウ カンジャ ノ シンリテキ ショ モンダイ ニ カンスル ヒカク

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抄録

電気痙攣療法(ECT)が適応となる慢性痛患者(ECT患者)は持続する激痛のため日常生活動作や生活の質が著しく低下していることが多く,他の慢性痛患者(非ECT慢性痛患者)に比べて精神的健康度が低いことが考えられる.そのため,ECT患者の心理精神的諸問題を把握することは重要である.そこで,これらの問題をCornell medical index(CMI:コーネル大学健康調査票)とHamilton’s rating scale for depression(ハミルトンうつ病評価尺度)を用いて,ECT患者(37名)と非ECT慢性痛患者(37名)の比較を行った.その結果,ECT患者は非ECT慢性痛患者に比べて身体的ならびに精神的自覚症状が強いことに加えて,神経症の状態にある患者が多く,また中等度・重度の抑うつ状態にあり,精神的健康度がきわめて低いことが示唆された.ECTは痛みの改善を目的とする治療法としては特殊な選択肢であり,精神科に入院するという受療環境面の問題もあるため,ECT患者の精神・心理面への援助が必要であると考える.

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参考文献 (24)*注記

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