当院にて検診発見された乳癌症例の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Study of Cases Detected by Breast Cancer Screening in Our Hospital

抄録

乳癌においても早期発見は重要であり,検診の意義は大きいものと考えられる。今回当院において検診発見された乳癌症例を対象に病期を比較するとともに,検診に用いられるmodalityの特性につき検討した。【対象】1年間で当院にて治療された検診発見乳癌13症例。【結果】全例が腫瘍形成病変であり,検査媒体による腫瘍径の評価をすると,乳腺超音波検査では16.0±7.7mm,乳腺造影MRI検査では13.0±3.9mm,術後病理標本では10.5±6.5mmであった。しかしながら,マンモグラフィでは12症例がカテゴリー3以上であったが,高濃度乳腺であった1症例がカテゴリー1と偽陰性であった。術後,病理標本とそれぞれの検査媒体で腫瘍径の比較をしてみると,乳腺超音波検査は,腫瘍径を過大評価している傾向にあったが,乳腺造影MRI検査は組織学的腫瘍径を反映していた。【考察】乳房温存術を考慮する場合には,腫瘍径および浸潤径を評価するために乳腺造影MRI検査を考慮しなくていけないと思われる。また,検診(対策型検診,任意型検診)において,高濃度乳腺を認める場合は,乳腺超音波検査を併用することで,非触知・微小腫瘍形成病変を同定することができる可能性があると考えられる。

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