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- 植松 孝悦
- 静岡がんセンター生理検査科・乳腺画像診断科
書誌事項
- タイトル別名
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- Expectations and Problems of Mammography Screening by Breast Tomosynthesis
説明
近年,デジタルマンモグラフィの技術を応用した新モダリティとしてブレストトモシンセシスが登場した。その技術は低線量のX線を使用した多数回撮影による2次元画像から3次元画像データを習得して1 mmスライスの再構成乳房断層像を表示することができる。その結果,通常2次元マンモグラムでは病変と重なる乳腺組織を軽減または除去する効果があり,マンモグラフィの診断精度が向上する。ブレストトモシンセシスを併用したマンモグラフィ検診は統計学的有意差をもって乳癌発見率を向上させ,より多くの浸潤癌を発見できることもすでに報告されている。また,マンモグラフィ検診のharmである偽陽性の減少効果も期待されている。また,心配されるこの検査に伴う被曝線量は一乳房一方向あたり通常の2次元デジタルマンモグラフィ撮影とほぼ同様であるが,現在では乳房トモシンセシス画像からの合成2次元デジタルマンモグラム技術が確立されて,“二重被曝”問題は解消された。近い将来にブレストトモシンセシスが乳癌臨床の場で必須モダリティになることは間違いなく,さらにマンモグラフィ検診の主流になるのも時間の問題である。本稿ではわれわれのブレストトモシンセシスの臨床使用経験と文献的考察を交えて,ブレストトモシンセシスの乳癌検診導入への期待と解決されなければならない問題点について述べる。
収録刊行物
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- 日本乳癌検診学会誌
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日本乳癌検診学会誌 23 (2), 270-278, 2014
特定非営利活動法人 日本乳癌検診学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204464569472
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- NII論文ID
- 130005421466
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- ISSN
- 18826873
- 09180729
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可