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- 万年 英之
- 神戸大学大学院自然科学研究科
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説明
ここ数年来、牛肉品種の偽装問題により、牛肉に対する消費者の信頼は落ち、牛肉の需要にも影響している。偽装表示を防ぐための牛肉の鑑別手法の開発には、大きく2種類の方向性がある。一つは、国内産牛肉内での識別であり、これは黒毛和種と交雑牛 (F1) を含むその他品種間での識別である。二つ目としては、輸入牛肉と国内産牛肉間での識別である。我々は牛肉の偽装表示を防ぐ目的で、DNAマーカーを用いた品種識別法の開発に取り組んできた。その結果、1) 国内産牛の黒毛和種、ホルスタイン種、およびそのF1を識別するDNAマーカーの開発を行い、品種識別に有効な11のマーカーを開発した。特に4マーカーが有効であり、F1の検出率が91.7%、信頼度が99.3%であった。2) 豪州産輸入牛肉と国産牛肉を識別するマーカーの開発に取り組んだ。現在までにmtDNA、Y染色体、核ゲノム由来からなる6つのマーカーを開発した。このシステムによる豪州産輸入牛肉の検出頻度は92.1%、信頼度は98.5%である。この開発により、国産牛内と豪州産輸入牛肉のDNA識別が可能となった。
収録刊行物
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- 動物遺伝育種研究
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動物遺伝育種研究 34 (Supplement), 1-12, 2006
Japanese Society of Animal Breeding and Genetics
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204466793856
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- NII論文ID
- 10018616602
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- NII書誌ID
- AA11636975
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- ISSN
- 18843883
- 13449265
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可