水稲良食味品種における室温貯蔵後の食味低下の品種間差を評価するための指標形質

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タイトル別名
  • Identification of Index Traits for Evaluating the Deterioration of Palatability of Rice Grains after Storage
  • スイトウ リョウ ショクミ ヒンシュ ニ オケル シツオン チョゾウ ゴ ノ ショクミ テイカ ノ ヒンシュ カンサ オ ヒョウカ スル タメ ノ シヒョウ ケイシツ

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抄録

1998年と1999年に福岡県の奨励品種および育成系統など計19品種を供試して,玄米で1年間室温貯蔵させた米の食味低下の品種間差および食味低下を評価するための指標形質について検討した.新米および貯蔵米の食味総合値を説明変数としたクラスター分析により,新米の食味の差が小さいにもかかわらず,貯蔵後の食味低下がコシヒカリと同程度に小さい品種群とコシヒカリよりも大きい品種群が認められた.食味の低下の大きな品種群においては,粘りと味の低下が顕著であった.新米,貯蔵米各々の食味に関連する理化学的特性のうち,テクスチャー特性値のH/A3とH/-Hはいずれの品種においても貯蔵後に増加していた.貯蔵米の食味に差のある群間でテクスチャー特性値を比較すると,新米時には差がなかったが,貯蔵後には食味低下の大きい品種群の方が大きく,貯蔵後の食味低下の大きい品種は貯蔵によるこれらテクスチャー特性値の増加も大きいことが認められた.このことから,テクスチャー特性値は食味低下の小さい品種を選抜するための指標形質として有効であると考えられた.また,両群の穂発芽程度に有意差が認められ,穂発芽性の難易と貯蔵による食味低下との関連性が示唆された.<br>

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