開発環境:医薬品開発の現状と課題

  • 竹内 正弘
    北里大学薬学部臨床統計部門 社団法人北里研究所臨床薬理研究所

書誌事項

タイトル別名
  • The Issues on the Research and Development Strategies of New Drugs
  • 医薬品開発の現状と課題

説明

1990年代初頭より開始された,日米EU医薬品規制調和国際会議(ICH)の主な目的は,日米EUの三極間で新医薬品に対する承認審査資料関連規制の整合性を図り,不必要な臨床試験の反復を回避し,優れた医薬品をより早く患者の元に供給することである。1998年には,E5ガイドライン,所謂,「外国臨床データ受け入れの際に考慮すべき人種・民族的要因について」の指針が発令された。このE5ガイドラインにより,すでに海外で有効性,安全性が示唆されている臨床試験データは,新地域で同様な臨床試験を繰り返す必要がなく,海外臨床試験データを外挿することにより,新薬承認申請が可能となった。同時期に,新GCPガイドラインも発令され,新地域に外挿しようとする海外臨床試験データの質の保証が義務づけられた。海外臨床試験データの質を保証し,有効性・安全性を示すことによって,新地域に外挿できる可能性の法則を応用することによって,現在では,「よりよい薬をより早く患者の元へ」をモットーに新薬の国際同時開発が始まってきている。この新薬開発の国際的動向は,日本の臨床試験実施の現状(海外データの外挿可能性,実施費用の高騰,実施スピードの延滞)を考慮すると,今後益々拍車がかかると考えられる。日本国内での新薬開発の現状を考察し,ブリッジング試験・国際共同臨床試験への参加の課題を考察する。

収録刊行物

  • 医療と社会

    医療と社会 15 (1), 17-24, 2005

    公益財団法人 医療科学研究所

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (3)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001204472383104
  • NII論文ID
    130004547596
  • DOI
    10.4091/iken.15.1_17
  • ISSN
    18834477
    09169202
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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