好適なサイズの人工巣穴を用いた外来種アメリカザリガニの駆除効果

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タイトル別名
  • Capture of the North American invasive crayfish Procambarus clarkii by using artificial burrows of preferred sizes
  • コウテキ ナ サイズ ノ ジンコウ スアナ オ モチイタ ガイライシュ アメリカザリガニ ノ クジョ コウカ

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抄録

本邦の水田水域や河川・湖沼等に定着している北米産外来種のアメリカザリガニは,在来生態系に与える影響が問題となっており,緊急対策外来種および日本の侵略的外来種ワースト 100 に指定されている.このため,本種の効率的な駆除手法の開発が必要とされている.本研究では,著者らが本種の駆除に用いることを推奨した好適なサイズの人工巣穴(牛見ほか 2015)によるアメリカザリガニの駆除効果について検討するため,内径と長さの異なる好適サイズの人工巣穴を岡山市半田山植物園の2 つの池に設置して本種を捕獲する野外実験を実施した.その結果,実験期間を通じて内径 20~56 mm の人工巣穴でアメリカザリガニが継続的に捕獲され,2 つの池での合計捕獲個体数は 51 個体であった.捕獲されたアメリカザリガニの体サイズは,頭胸甲長では 8 .1~35.7 mm,全長では 22.7~83.4 mm であり,小型個体から大型個体を含む幅広い体サイズのアメリカザリガニが人工巣穴で捕獲された.また,捕獲されたアメリカザリガニには抱稚仔個体 2 個体が含まれ,それぞれ 104 個体および 258 個体の稚ザリガニを抱えていた.したがって,稚ザリガニも含めると,本実験では計 413 個体のアメリカザリガニが捕獲駆除された.以上より,好適なサイズの人工巣穴はアメリカザリガニの駆除に有効であり,抱稚仔個体の捕獲も可能であることが明らかとなった.

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