中国上海市の外灘地区におけるウォーターフロント景観と観光行動

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  • チュウゴク シャンハイシ ノ ガイタン チク ニ オケル ウォーターフロント ケイカン ト カンコウ コウドウ

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抄録

本研究は、中国上海市の外灘地区を事例として、ウォーターフロント開発における歴史的展開過程を踏まえ、近年「観光地」としての機能を担う本地区への中国人来訪者に対するアンケート調査から来訪状況、景観評価に関する特徴を検討した。本地区における開港当初の港湾機能は、近代に入り貨物量の増大や輸送体系の変化により徐々にその機能を喪失したが、黄浦江西岸の歴史的建築物に対しては市政府による保存条例が施行され、また東岸の浦東地区には東方明珠塔を中心とする新景観が登場する複合的なウォーターフロントを形成している。また、中国人来訪者の景観評価からは、外灘の象徴的景観として「浦東新区景観」を挙げる傾向が確認されたが、20~30歳代の若年層において「歴史的建築景観」を上位に挙げる傾向もみられた。近年の中国の経済発展を背景として本地区への活発な観光来訪および行動がみられ、その傾向はより増大するものと考えられるが、今後は、ウォーターフロントの主体をなす水体(黄浦江)の水質管理の重要性を考慮した、船舶からの廃液、廃油等に対する規制などの抜本的改善もあわせて示唆された。

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