過去・現在の胸部MDCT像セットを用いた経時的差分像技術の開発

書誌事項

タイトル別名
  • Development of Temporal Subtraction Technique Based on Previous and Current Thoracic MDCT Image Sets
  • カコ ゲンザイ ノ キョウブ MDCTゾウ セット オ モチイタ ケイジテキ サブンゾウ ギジュツ ノ カイハツ

この論文をさがす

抄録

経時的差分像技術とは,過去・現在画像ペアに対し,差分演算を行うことにより,共通する正常構造を除去し,経時的変化を強調する技術である.近年ではMDCTの利用機会も増加し,胸部CT検査のための経時的差分像技術の開発が期待されているが,3次元処理の複雑さなどから確立していない.本論文では,胸部CT像のための経時的差分像技術の開発を行う.具体的には,まず過去・現在CT像の肺領域に対し,GGVF(Generalized Gradient Vector Flow)を適用後,過去と現在のCT画像上のペアに関心領域を設け,その領域内に存在するベクトル分布を指標として位置合わせを行う.位置合わせにより変形した過去画像と対応する現在画像との差分演算を行い,経時的差分画像を作成する.提案法を過去・現在の胸部CT画像5症例に適用し,差分像の濃度ヒストグラムによる定量評価を行った結果,従来法と比較し,積分値3.5[%],FWHM3.72[%]低減し,経時的差分画像の画質が向上した.結果から提案法は,GGVFを用いた近傍の構造情報の伝播により,位置合わせ精度向上に期待できる.

収録刊行物

参考文献 (7)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ