水俣病補償制度への申請と「病いの体験」 : 関西訴訟判決後の申請行動の背景

書誌事項

タイトル別名
  • Application for Compensation of Minamata Disease and Illness Experience
  • ミナマタビョウ ホショウ セイド エノ シンセイ ト ヤマイ ノ タイケン カンサイ ソショウ ハンケツゴ ノ シンセイ コウドウ ノ ハイケイ

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説明

水俣病公式確認から50年以上が過ぎた現在も、不知火海沿岸には水俣病様の症状に苦しむ人が多く生活している。1995年の政治解決が最終解決であるとされた一方、2004年秋の「関西訴訟」の最高裁判決以後、新たに水俣病の認定を求める人が増加した。これまでの水俣病対策は、それぞれの時代状況に応じて行われたために、複雑な補償制度が生み出された。それに伴って、ある時期に特定の制度を通じて申請するという行為には、水俣病をめぐる多様な体験が刻印されている。本稿は、不知火海沿岸住民1,546人を対象に行った質問紙調査データを検討する。申請の時期や制度ごとに水俣病体験を検討することにより、広範な申請行動の波及の一方で、特に近年の申請者が、補償への不満や水俣病へのタブー視など相反する力の影響を受けつつ認定を求めるなど、複雑な「病の体験」を背負っていることが明らかになった。

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