長期透析患者に対する継続的栄養指導の効果

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タイトル別名
  • Significance of Continuous Nutritional Guidance for Long-term Maintenance Hemodialysis Patients

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日本における血液透析患者数は年々増加しており,その中で長期透析患者の増加,高齢化などが問題になっている。血液透析患者が長期間良好な状態で透析を受けるためには栄養管理は重要であり,特に高カリウム血症,高リン血症,水分・塩分管理などは食事摂取内容と密接な関連がある事から栄養指導が重要視される。そこで本研究では,血液透析患者の継続的栄養指導の効果について検討した。対象は,2000年より10年間以上継続栄養指導をうけた血液透析患者16名(男性7名女性9名)で,毎月1回以上指導を実施している者であり,透析間体重増加率及び血液検査値について検討した。2000年と2009年を比較すると,透析間体重増加率,血清カリウム値及び血清リン値は有意差はみられず,基準内を推移しコントロールされていた。しかしながら,血清アルブミン値は2009年において有意に低下した。血清アルブミン値の変化に対する影響因子を調べたところ,血清リン値,血清カリウム値及び透析間体重増加率が,血清アルブミン値の低下に関与している可能性が示唆された。本研究では食事に関連する指標は管理目標内にコントロールされていたことから,栄養指導による影響があった事が示唆されたが,栄養状態の指標の一つである血清アルブミンの維持には至らなかった。今後,栄養指導を行う上では薬物療法や透析条件も考慮した包括的栄養管理が必要であると思われる。

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