ギアチェンジ後に一般病棟に転院したがん患者のターミナルケアを行う看護師のジレンマと対処方法

書誌事項

タイトル別名
  • Dilemmas and Coping Methods for Nurses Providing Terminal Care to Cancer Patients Moved to a General Ward After the ‘Gear Change’
  • ギアチェンジ ゴ ニ イッパン ビョウトウ ニ テンイン シタ ガン カンジャ ノ ターミナルケア オ オコナウ カンゴシ ノ ジレンマ ト タイショ ホウホウ

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抄録

<p>要 旨</p><p>本研究の目的は,ギアチェンジ後に一般病棟に転院したがん患者のターミナルケアを行う看護師のジレンマと対処方法を明らかにすることである.ギアチェンジ後に大学病院から転院したがん患者のターミナルケアを行う一般病棟の看護師11名に半構成的面接を行い,内容分析を行った.</p><p>分析の結果,看護師のジレンマは,【医療者と患者の間でのギアチェンジへの認識の相違がある】【理解力がある患者に家族の希望で真実が伝えられない】など6カテゴリーが抽出された.看護師のジレンマへの対処方法は,【相談やかかわりの中で自分の気持ちに対処する】【忘れることやあきらめで自分の気持ちに対処する】【チームでケアができるよう調整を行う】など7カテゴリーが抽出された.</p><p>本研究より,ギアチェンジ後に一般病棟へ転院したがん患者のターミナルケアを行う看護師のジレンマの背景には,医療者と患者の間でのギアチェンジへの認識の相違があった.そして,患者・家族・医療者がターミナル期の共通の目標をもつことができないために看護師のジレンマが起きていることが明らかになった.その背景には,現状についての不十分な認識から,患者・家族の心理が揺れ動いていることが考えられた.ジレンマに対処するためには,患者・医師・看護師間での情報共有のための調整と,患者が主体的に症状緩和に取り組めるような支援が必要であると考えた.</p>

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