グリセリンを原料とする機能性化学品の生産および利用技術の開発

  • 佐藤 俊
    独立行政法人産業技術総合研究所環境化学技術研究部門

書誌事項

タイトル別名
  • Improvement of Biotechnological Production of Glyceric Acid from Glycerol and Application of Glyceric Acid to Functional Chemicals
  • 2013年オレオマテリアル賞 グリセリンを原料とする機能性化学品の生産および利用技術の開発
  • 2013ネン オレオマテリアルショウ グリセリン オ ゲンリョウ ト スル キノウセイ カガクヒン ノ セイサン オヨビ リヨウ ギジュツ ノ カイハツ

この論文をさがす

説明

<p>化石資源から再生可能資源への原料転換が進む中,原料に油脂を利用した化成品やバイオ燃料等の生産量が増加している。そのため,これらの産業で副生するグリセリンの有効利用技術開発が課題となっている。筆者の所属する研究グループでは,副生グリセリンの有効利用を目指し,グリセリンを原料に微生物発酵によって得られるグリセリン酸の生産技術開発を進めてきた。しかし,グリセリン酸の機能や用途に関する知見が乏しく,その利用技術開発が必要となっていた。本総説では,グリセリン酸の生産および利用技術の研究に関して,筆者および筆者の所属する研究グループで進めてきた近年の研究成果について紹介する。グリセリン酸の利用技術開発では,グリセリン酸塩に新たな細胞賦活活性を見出し,アシルおよびグルコシル誘導体には優れた界面活性剤としての機能および生体分子の保護機能があることを明らかにした。一方,グリセリン酸の生産技術の研究では,副生グリセリン中のメタノールの影響を調べ,グリセリンを酸化する酵素反応をメタノールが直接阻害することを明らかにした。さらに,メタノール耐性を有するグリセリン酸生産菌の改良にも取り組んだ。</p>

収録刊行物

  • Oleoscience

    Oleoscience 14 (4), 141-147, 2014

    公益社団法人 日本油化学会

参考文献 (26)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ