自閉症スペクトラム障害児に対する社会的スキル訓練 ―欧米との比較による日本における現状と課題―

  • 岡島 純子
    国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所児童・思春期精神保健研究部 獨協医科大学越谷病院子どものこころ診療センター
  • 鈴木 伸一
    早稲田大学人間科学学術院

書誌事項

タイトル別名
  • Social Skills Training for Children and Adolescents with Autism Spectrum Disorders: A Review
  • ジヘイショウ スペクトラム ショウガイジ ニ タイスル シャカイテキ スキル クンレン : オウベイ ト ノ ヒカク ニ ヨル ニホン ニ オケル ゲンジョウ ト カダイ

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抄録

本研究の目的は,わが国における自閉症スペクトラム障害児(autism spectrum disorders: ASD)に対する社会的スキル訓練(social skills training: SST)の現状と課題を明らかにすることであった。そのためにまず,わが国で行われているSSTプログラムを検索したところ,7本の論文が抽出され,レビューされた。次に日本でのASD児へのSSTプログラムを検索したところ,12本の論文が抽出された。わが国における課題は,般化効果,維持効果について検討された研究が少ないこと,エビデンス蓄積のための介入デザインが少なく介入効果が不明瞭なこと,ASD児特有の社会的スキルを測定することが不十分であることが明らかとなった。本研究の結果から,治療効果を高めるために,標的スキルを選定する際に行動分析の手続きを使用すること,親を含めること,学校の文脈に合わせること(セッティングや内容)などが提唱された。

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