思春期における友人関係の発達的変化の様相

書誌事項

タイトル別名
  • Developmental Changes in Preadolescent Friendships:
  • 思春期における友人関係の発達的変化の様相--親友関係Chumshipの形成度ならびにメンタルヘルスとの関連から
  • シシュンキ ニ オケル ユウジン カンケイ ノ ハッタツテキ ヘンカ ノ ヨウソウ シンユウ カンケイ Chumship ノ ケイセイド ナラビニ メンタル ヘルス ト ノ カンレン カラ
  • ―親友関係Chumshipの形成度ならびにメンタルヘルスとの関連から―
  • From the Perspective of Close Friendship and Mental Health

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抄録

本研究では,友人関係の発達的変化を「親友関係」(chumship)の形成度,ならびにメンタルヘルスとの関連からとらえることを目的として,小学4年生から中学3年生までの児童生徒802名を対象に調査を行った。その結果,定義で用いた「親友関係」は,親密性体験,情緒的な入れ込みという2要因が想定でき,一定の信頼性と妥当性が得られた。親密性体験は,小学4・5年生よりも中学3年生で高く,情緒的な入れ込みは学年差がみられなかった。親友関係の2要因とメンタルヘルスとの関連性の検討から,小学5年生においては,親密性体験が非効力感や対人緊張を低め,友人に情緒的に入れ込んでいることが学校での満足度や現在の調子を高めていた。その一方で,中学2年生以上では,友人に情緒的に入れ込むことが,抑うつ傾向や摂食障害傾向,対人緊張など,メンタルヘルスの症状的な側面と関連していた。以上から,友人との間で親密さを体験していること,友人に情緒的に入れ込むことが,心の発達に伴って異なる意味をもつということ,またそれに伴い,時期によって友人関係に関する学校での心理教育的な援助の形は異なることが示唆された。

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