化学分解性界面活性剤の開発

  • 小野 大助
    大阪市立工業研究所 生物・生活材料研究部 香粧品材料研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Development of Chemocleavable Surfactants
  • カガク ブンカイセイ カイメン カッセイザイ ノ カイハツ

この論文をさがす

抄録

界面活性剤は,洗剤,塗料,トイレタリーや医薬品など様々な用途で利用されている。最近では,より優れた界面物性を有する界面活性剤,二次的な機能を有する複合機能型活性剤,あるいは,地球環境保全に配慮を加えた活性剤などの開発が望まれている。このため,界面活性剤としての本来の機能を果した後,酸や光などのできるだけ温和な外的因子を引き金として分解が起こり界面活性能が消失する機能を備えた化学分解性界面活性剤の開発に興味がもたれている。本稿では,1-O-アルキルグリセロールから1,3-ジオキソラン環を分子内に有する酸分解性カルボン酸塩型界面活性剤とエステル型化学分解性界面活性剤を特殊な試薬や装置を用いることなく,簡便な操作により合成した。これらは,良好な界面物性を有し,酸性またはアルカリ条件下で,非界面活性成分に分解した。また,微生物による生分解性は,ドデカン酸ナトリウムよりも優れていた。乳化重合反応で乳化剤として用いた場合,反応終了後,酸またはアルカリを添加することにより,乳化系を解消でき塩濃度の低い純度の高いポリマーを容易に単離することができた。さらに,洗浄力についても検討した。

収録刊行物

  • Oleoscience

    Oleoscience 13 (4), 179-185, 2013

    公益社団法人 日本油化学会

参考文献 (23)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ