大学生の運動負荷心電図評価におけるマスター試験の限界と多段階漸増負荷試験の有用性(<特集>第3回日本健康医学会総会)

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説明

大学における水泳授業の安全性確保の目的で行なわれているマスター2階段昇降負荷試験の有用性と限界を評価するため、外見上健康な大学生43名を対象に坐位自転車エルゴメータを用いた多段階漸増負荷試験を実施し、マスター2階段昇降負荷試験との比較を行った。運動負荷試験における心電図変化は、アメリカ心臓協会(American Heart Associationのwriting group)が示した基準を満たした場合に心臓虚血を示すものと判定したが、検討した43例のうち、2例の男子学生に自転車エルゴメータによる運動負荷試験で上記の基準を満たすST部分の低下を認め、心筋虚血の存在が示唆された。しかし、同じ学生に行ったマスター2階段試験では異常所見は認めなかった。今回の観察より、マスター2階段昇降負荷試験が外見上健康な大学生の心機能評価のために施行された場合には、心筋虚血の存在を見逃す危険性のあることが示唆された。基礎疾患を有さない大学生に対しては、負荷量不十分とならないよう自転車エルゴメータ等による運動負荷試験が必要であると考えられた。

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  • CRID
    1390001204484278528
  • NII論文ID
    110009564143
  • DOI
    10.20685/kenkouigaku.3.1_46
  • ISSN
    24239828
    13430025
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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