生殖補助医療における情報提供の在り方に関する検討 : 多胎妊娠等のリスク情報に着目して

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タイトル別名
  • Ethical consideration for ART information : focus on risks of "multiple pregnancy" and "fetal reduction"

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抄録

近年、生殖補助医療技術は急速に進歩し、不妊カップルが子どもをもうける選択肢の一つとして社会に浸透しつつある。しかしながらその一方で、排卵誘発剤の使用や体外受精-胚移植(IVF-ET)療法に伴う「多胎妊娠」「減数手術」という深刻な問題を生み出している。本研究では、生殖補助医療に際して、当事者である不妊カップルがどのような情報に基づき意思決定を行なっているのか、特に多胎妊娠のリスクについて十分な情報を得ているかに着目し、調査研究を行なった。生殖補助医療に関する情報は、一般書籍やインターネットを通じて自ら収集する以外では、不妊治療を受ける際の専門医からの説明が最も重要であると考えられる。そこで、インフォームド・コンセントの際に多胎妊娠等のリスク情報がどのように説明されているかを説明資料をもとに分析した。その結果、生殖補助医療に関する意思決定に際して、事前に多胎妊娠等のリスク情報が十分に知らされていない可能性があることが明らかとなった。

収録刊行物

  • 生命倫理

    生命倫理 14 (1), 118-124, 2004

    日本生命倫理学会

参考文献 (14)*注記

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