全身麻酔下での障害児(者)の口腔内細菌数と酸産生能の計測

  • 久保田 一政
    東京都立東大和療育センター歯科 東京医科歯科大学大学院麻酔・生体管理学分野
  • 水谷 文子
    東京都立東大和療育センター歯科
  • 蔵本 祐介
    東京都立東大和療育センター歯科
  • 岸 裕子
    東京都立東大和療育センター歯科
  • 工藤 綾子
    東京都立東大和療育センター歯科
  • 菊池 栄子
    東京都立東大和療育センター歯科
  • 瀧島 かおり
    東京都立東大和療育センター歯科
  • 奥山 順子
    東京都立東大和療育センター歯科
  • 吉田 隆義
    東京都立東大和療育センター歯科
  • 橋本 吉明
    東京都立東大和療育センター歯科 東京医科歯科大学小児歯科学分野
  • 小野 芳明
    東京都立東大和療育センター歯科 東京医科歯科大学小児歯科学分野
  • 下町 香苗
    東京都立東大和療育センター歯科 柏市医療公社柏市医療センター歯科診療部
  • 松村 朋香
    東京医科歯科大学大学院麻酔・生体管理学分野
  • 脇田 亮
    東京医科歯科大学大学院麻酔・生体管理学分野
  • 深山 治久
    東京医科歯科大学大学院麻酔・生体管理学分野
  • 元橋 功典
    東京都立東大和療育センター歯科

書誌事項

タイトル別名
  • Measurement of Bacteria Counts and the Ability of Acid Production in Disabled Patients under General Anesthesia

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説明

障害児(者)では歯科診療時に協力が得られにくいため,口腔環境を簡易的に評価でき,治療方針を立案できれば有用である.本研究では,全身麻酔下に歯科治療を施行した患者の病態と口腔内因子を計測し相関関係を分析した.検体採取条件を一定にし,病態を簡易的に定量化できるか検討を行った.<br>対象者のう蝕経験歯数(decayed, missing and filled:DMF歯数),歯周ポケット深さの平均値を計測し,舌および下顎歯面の細菌数と上顎頰側歯面の口腔細菌の酸産生能を定量化した.<br>相関関係の解析では以下の結果を得た.<br>1.歯周ポケット深さの平均値と舌細菌数(γs=0.241(p=0.019))および歯周ポケット深さの平均値と下顎歯面細菌数(γs=0.334(p=0.011))は正の相関が認められた.<br>2.DMF歯数と酸産生能は正の相関が認められた(γs=0.581(p<0.001)).<br>3.DMF歯数と舌細菌数(γs=-0.019(p=0.848)),DMF歯数と下顎歯面細菌数(γs=-0.088(p=0.519)),酸産生能と舌細菌数(γs=-0.168(p=0.145)),酸産生能と下顎歯面細菌数(γs=0.100(p=0.539))について相関は認められなかった.<br>以上より,歯周ポケット深さの平均値と細菌数は相関が認められたが,歯周病の評価方法としては歯周ポケット深さが健常の範囲の対象者が大部分であったため,今後検討する必要がある.また,細菌数はう蝕罹患と酸産生能とは関係しなかった.しかし,細菌数は口腔の清潔程度の評価方法として,酸産生能はう蝕罹患傾向の評価方法として使用可能と考えられた.

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