ハウス園芸導入による近郊農業の経営改善

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タイトル別名
  • ハウス園芸導入による近郊農業の経営改善--西神戸地域の事例による
  • ハウス エンゲイ ドウニュウ ニ ヨル キンコウ ノウギョウ ノ ケイエイ カイゼン ニシコウベ チイキ ノ ジレイ ニ ヨル
  • 西神戸地域の事例による

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抄録

ハウス園芸は温室園芸や礫耕園芸などに比べて, 相対的に小資本で導入できるので普及の一般性が高い. 他方, 収益性は土地, 労働および資本のいずれの収益力においても, 従来の露地そさい園芸経営のそれよりもはるかに高く, 地価および労賃水準の高い近郊地域の経済社会に対応し得る農法である. したがって, その導入の経営経済的意義も高いわけであるが, しかし, それは, 高度な栽培技術と経営能力が備わっていることが前提条件であり, そうでなければ, はなはだ危険性の高い農法であることは調査農家間の収益力の較差が著しい点からして明らかである. すなわち, ハウス園芸を導入して経営改善の目的を達し得るか, 否かは一つに経営主の経営, 技術能力にかかっており, その涵養こそ最大の課題である. つぎに, 経営組織上の問題点としては労働集約的な作目であるために, 従来の経営方式につみあげ的な導入では労働利用上から, 複雑経営のそしりを免がれ得ず, 経営改善の成果を十分上げることは至難である. それゆえ, 一般的にはハウス園芸を中核にした経営方式を確立して, 適期出荷をはかり収益の増大と労働生産性の向上をはかることが根本課題となるが, 押部谷地区のごとく, ストックとトマトのハウスの共同利用においては, トマトは, むしろ作期を延ばして収量の増大をはかることが課題になるであろう.

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