知識処理技術と教育工学

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タイトル別名
  • Review of Research on Knowledge Technology and Educational Technology (<Special Issue> Review of Research on Educational Technology for 10 Years)
  • チシキ ショリ ギジュツ ト キョウイク コウガク

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抄録

本稿では,1984年から1995年までの10年間における知識処理技術を用いた教育研究を概観する.知識処理技術を用いた研究の対象は,コンピュータを分析の道具として利用する方法から理想的な個別教育の実現を指向したシステムの構築へと移行した.その研究成果はさらに知的個別指導システム:ITSの実現へと結実していった.一方で問題解決における人間の認知的活動に対する関心が高まり,工学者や認知科学者をも含む研究分野として発展してきている.さらに相互学習環境,認知構造主義,社会構成主義等の概念が取り入れられ,研究対象が広がり始めている.近年ではマルチメディア,インターネットといった新しい技術の導入による学習環境が提供され,グループ学習/作業に対して支援を行うシステムの研究開発へと進展する動きも見られるようになってきている.このような動向に関係する論文等に関して,研究目的,教育的観点,分析視点等を整理し,知識処理・人工知能分野の研究が教育工学の発展に貢献してきた内容を具体化させる.対象分野,教育機能,技術的特徴を考察することにより,教育工学における知識処理技術の応用研究の位置付けを試み,本分野の研究の今後の方向性を見いだす.

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被引用文献 (6)*注記

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参考文献 (10)*注記

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