グリア細胞におけるTLR3の活性化を介した脳梗塞の治療

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抄録

免疫系は生体内に存在する異物を感知して除去するシステムで,自然免疫と獲得免疫がある.自然免疫は非特異的な応答と考えられてきたが,この概念はToll様受容体(Toll-like receptor:TLR)の発見で改められた.TLRは自然免疫においてウイルス・細菌の構成成分を認識し,I型インターフェロン(IFN)や炎症性サイトカン産生の誘導,樹状細胞の成熟化を介してリンパ球に感染防御のシグナルを伝えるパターン認識受容体として知られている.13種類のTLRのうち,TLR3はヒトの脳,特にグリア細胞に多く発現している.最近,このTLR3と脳虚血誘発性の神経細胞死との関連が報告されたので紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) Jeong S. -K. et al., J. Neurochem., 136, 851-858 (2016).<br>2) Suzuki S. et al., J. Cereb. Blood. Flow. Metab., 29, 464-479 (2009).<br>3) Li Y. et al., CNS Neurosci. Ther., 21, 905-913 (2015).<br>4) Liu W. et al., Life Sci., 89, 141-146 (2011).

収録刊行物

  • ファルマシア

    ファルマシア 52 (7), 697-697, 2016

    公益社団法人 日本薬学会

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