TRPM8は皮膚メラノサイトにおけるメラニン生成調節に関与する

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  • TRPM8 Controls Melanin Synthesis in Human Skin Melanocyte
  • TRPM8 ワ ヒフ メラノサイト ニ オケル メラニン セイセイ チョウセツ ニ カンヨ スル

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抄録

<p>Transient receptor potential melastatin 8(TRPM8)は,末梢の感覚神経における温度センサーtransient receptor potential(TRP)ファミリーの一種として発見された冷刺激受容体である。近年,TRPM8の温度センサー以外の機能に関する研究が進みつつあるが,ヒト皮膚メラノサイトにおけるTRPM8の役割に関する知見はほとんど見当たらない。そこで,ヒト皮膚メラノサイトにおけるTRPM8の機能とそれに及ぼすヒメフウロ(Geranium robertianum L.)の効果について検討した。その結果,TRPM8の活性化剤によって,メラニン生成関連因子mRNA発現量の減少が認められた。一方,TRPM8の阻害剤は逆の効果を示した。また,UVBを照射したメラノサイトでは,TRPM8活性およびmRNA発現の低下,メラニン生成関連因子mRNA発現量の増加が認められた。一方,ヒメフウロの添加によって,TRPM8活性およびmRNA発現の亢進,メラニン生成関連因子mRNA発現量の減少が認められた。以上から,メラノサイトにおいて,TRPM8はメラニン生成抑制の機能を有し,この機能がUVB照射によって低下することでメラニン生成が亢進することが示唆された。また,ヒメフウロにTRPM8を増加させる効果が認められたことから,ヒメフウロはメラニンの過剰生成を防ぎ,色素沈着を予防・改善することができると考えられた。</p>

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