新規保湿性高分子ポリメタクリル酸メトキシポリエチレングリコールの開発

  • 秋山 智美
    株式会社ファンケル 総合研究所 化粧品研究所
  • 澤井 香里
    株式会社ファンケル 総合研究所 化粧品研究所
  • 坂谷 志織
    株式会社ファンケル 総合研究所 化粧品研究所
  • 桜井 哲人
    株式会社ファンケル 総合研究所 化粧品研究所
  • 加賀美 真弓
    株式会社ファンケル 総合研究所 化粧品研究所
  • 新出 ちはる
    株式会社ファンケル 総合研究所 化粧品研究所
  • 粂井 貴行
    株式会社ファンケル 総合研究所 化粧品研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Development of Poly (Methoxy Polyethylene Glycol Methacrylate) as a Novel Polymer-Humectant
  • シンキホシッセイ コウブンシ ポリメタクリルサン メトキシポリエチレングリコール ノ カイハツ

この論文をさがす

抄録

化粧品に用いられる保湿剤には,グリセリンなどの多価アルコールやNMF成分などがある。また,高い保湿持続性を実現するために高分子類も用いられるが,そのような高分子類はヒアルロン酸のようにイオン性であることが多く,化粧品への配合に制限を生じる場合がある。われわれは,ヒアルロン酸に匹敵する高い保湿持続性があり,幅広い製剤に応用可能な非イオン性高分子保湿剤の開発を試み,エチレンオキシドを9モル付加したポリメタクリル酸メトキシポリエチレングリコール(略号:PMMP-9)を開発した。PMMP-9の保湿持続性を評価したところ,PMMP-9はヒアルロン酸とほぼ同程度の水分保持能,水分蒸散抑制能を示した。さらに,デジタルフォースゲージを用いた剥離力測定および官能評価によりべたつきを評価し,Reviscometer™を用いて柔軟性を評価したところ,PMMP-9は一般的な高分子類と比較してべたつきが少なく柔軟性が高いことが示唆された。化粧品の製剤開発において高い保湿性と柔軟性,べたつきのなさの両立は難しい場合が多く,PMMP-9はこれらの問題を解決しうる有用な保湿剤であることが期待される。

収録刊行物

参考文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ