保証期間中の市場故障データのみに基づく信頼性特性値の推定

書誌事項

タイトル別名
  • Estimation of Lifetime Parameters Using Warranty Data Consisting only of Failure Information

この論文をさがす

抄録

運用・使用の信頼性の実態把握のためには市場情報の収集とその解析が必要である.このとき,保証期間中の市場故障データは顧客よりの修理請求により自動的に収集される重要な情報源である.しかし,この種のデータは故障データのみからなり,正常である製品の実稼働時間は入手できず,従来研究ではフォローアップによる一部の未故障情報や実稼働時間分布の活用に基づく解析法が提案されている.本研究はこれらの追加情報を必要とせず,故障データのみにより信頼性特性値の把握を可能にしたものである.このとき,鍵を握るのは月間走行距離や月間複写枚数などの実稼働時間の分布型であり,この分布型と正常な製品の台数ならびにその販売時点がわかればよい.文献および,解析例に用いた実データにおける検証から,実稼働時間分布を対数正規分布とし,故障データのみに基づく信頼性特性値の推定法を提案する.具体的には最尤法ならびに故障モードが複数ある場合の反復法を提案する.後者の場合は,着目した故障モードをワイブル分布,その他の着目していない故障モードを指数分布として定式化し,多くの故障モードが存在しうる場合にも適用しうるよう工夫した.

収録刊行物

  • 品質

    品質 39 (3), 353-363, 2009

    一般社団法人 日本品質管理学会

参考文献 (18)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ