第一期水循環変動観測衛星「しずく」の利用実証成果(<特集>第一期水循環変動観測衛星(GCOM-W1)「しずく」 第5回)

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タイトル別名
  • Result of Data Utilization of Global Change Observation Mission 1st-Water "Shizuku"
  • 特集 第一期水循環変動観測衛星(GCOM-W1)「しずく」(第5回)第一期水循環変動観測衛星「しずく」の利用実証成果
  • トクシュウ ダイイチゴスイ ジュンカン ヘンドウ カンソク エイセイ(GCOM-W1)「 シズク 」(ダイ5カイ)ダイイチゴスイ ジュンカン ヘンドウ カンソク エイセイ 「 シズク 」 ノ リヨウ ジッショウ セイカ

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抄録

平成24年5月18日の打上げ以来,第一期水循環変動観測衛星(GCOM-W1)「しずく」は,順調に初期機能確認運用及び初期校正検証運用を終えて,平成25年1月に輝度温度プロダクトを,5月に8種類の地球物理量プロダクト(積算水蒸気量,積算雲水量,降水量,海面水温,海上風速,海氷密接度,積雪深,土壌水分量)の一般提供を開始した.利用実証を行う利用機関には,14〜15回/日の全球観測データや4〜5回/日の日本周辺の観測データを観測直後に準リアルタイムデータとしてJAXAから提供している.気象庁では準リアルタイムデータを気象予報や台風解析,海面水温解析などに利用している.日本のみならず,欧米の気象機関でも利用されている.また,漁業情報サービスセンターでは,準リアルタイムの海面水温データを漁船に提供し,効率的な漁場の把握に活用している.地球環境監視の分野においては,地球温暖化の兆候がいち早く,顕著に現れるとされる北極海の海氷面積の変動などの把握に貢献している.平成14年6月から平成23年10月まで観測運用を行った米国NASAの衛星Aqua搭載AMSR-E等の観測データと合わせて,約15年以上の長期のデータセットを提供する予定である.極域の海氷の観測データは,北極海の環境変動による生態系や気候変動システムへの影響を詳しく調査するJAMSTECの海洋地球研究船「みらい」や,南極地域観測隊の「しらせ」にも提供され,航路の海氷状況の把握に役立てられている.また,近年,夏季の海氷面積の減少に伴い注目が高まっている北極海航路を利用する船舶での利用も今後は広がると予想される.

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