流体界面の回転を利用した平板静止型マイクロミキサーの開発とその混合特性

  • 大川 和男
    アステラス製薬(株)合成技術研究所 大阪大学大学院基礎工学研究科 物質創成専攻 化学工学領域
  • 中元 崇
    大阪大学大学院基礎工学研究科 物質創成専攻 化学工学領域
  • 井上 義朗
    大阪大学大学院基礎工学研究科 物質創成専攻 化学工学領域
  • 平田 雄志
    大阪大学大学院基礎工学研究科 物質創成専攻 化学工学領域

書誌事項

タイトル別名
  • Development of a Plate Static Micromixer Utilizing Rotation of Fluid Interface and Its Mixing Performance
  • リュウタイ カイメン ノ カイテン オ リヨウ シタ ヘイバン セイシガタ マイクロミキサー ノ カイハツ ト ソノ コンゴウ トクセイ

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抄録

三次元屈曲チャネル内での流体層の分割,180°回転,再合流・重ね合せを組み合わせて流体を多層化する静止型マイクロミキサーの単位エレメントの構成則を求め,それに基づいてY字分岐と120°と60°の屈曲チャネルからなるY型平板静止マイクロミキサーを開発した.正方形のチャネル断面をもつY型ミキサーを用いてヨウ素の脱色実験を行い,混合完了に必要な単位エレメント数nを測定した.レイノルズ数Reが低い場合にはnReの増加とともに増加した.1単位エレメント通過ごとに厚さが1/2となる流体層内の混合過程をモデル化し,nを表す関数関係を導出し,この関係に基づいてReが低い場合のnの実験結果を相関した.Reが高い場合,Reの増加とともにnは減少した.この場合のnについては上記の関数に用いられる変数を用いて実験的に相関した.Reを50まで変化させてCFD解析を行い,Reの影響を調べた結果,Re=50では流体層は三次元屈曲チャネル内で発生する二次流によって大きく変形していることがわかった.この界面の変形が混合速度を加速させ,nを減少させる.さらに,ミキサーを構成するチャネルのアスペクト比a/bの影響をCFD計算によって検討した.a/bが2.0以上では流体界面の湾曲が大きく,a/bが0.2以下では分岐チャネルで流体が均一に分割されない.したがって,本研究で開発した平板静止型ミキサーにおいて理想的な流体層の分割・再合流を進行させるためには,できるだけ正方形に近いアスペクト比をもつ流路断面を採用することが望ましい.

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参考文献 (21)*注記

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