膜濾過における膜細孔閉塞のモデル化と評価

  • 入谷 英司
    名古屋大学大学院工学研究科 化学・生物工学専攻

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タイトル別名
  • Modeling and Evaluation of Pore Clogging of Membrane in Membrane Filtration
  • マク ロカ ニ オケル マクサイコウ ヘイソク ノ モデルカ ト ヒョウカ

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用水や廃水処理に膜濾過を適用する際の最大の問題点は膜細孔の閉塞やケーク形成による膜ファウリングである.本稿では,精密濾過や限外濾過などのコロイド溶液を対象とした膜濾過における膜細孔の閉塞に特に焦点を絞り,膜ファウリングを支配する基本的なメカニズムを概説する.Kozeny–Carman式に立脚し,深層濾過の進行とともに膜の空隙率と比表面積が変化すると考えることにより,膜細孔の閉塞の解析に最も広く用いられている閉塞濾過法則の一般化特性式が理論的に導かれた.最近では,膜細孔の閉塞と濾過ケークの成長が連続して,または同時に生じる複雑な濾過挙動を記述するいくつかの新しい複合モデルが報告されている.特に,水処理における効率的な膜濾過技術を確立するために,単なる物理逆洗や他の周期ダイナミック操作では充分に回復しない膜細孔の非可逆的な閉塞挙動の適切なモデル化が,将来重要となることが予測される.

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