針状フィン付き垂直流下液膜式吸収器における流下液膜の流動特性

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  • Flow Characteristics of a Vertical Falling Film Flow on a Strip-finned Tube for Absorber
  • シンジョウ フィン ツキ スイチョク リュウカ エキマクシキ キュウシュウキ ニ オケル リュウカ エキマク ノ リュウドウ トクセイ

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抄録

針状フィンがらせん状に巻きつけられた垂直管上を流下する液膜の流動特性を実験的に検討した.我々は吸収式ヒートポンプの吸収器を構成する要素としてらせん状フィン付き伝熱管を開発した.液は偏心環状の液供給部を通ってらせん状フィン付き伝熱管上部の外表面に供給された.液供給部における摩擦係数は,外円と偏心した内円の隙間を通過する流れに関してパラメータk=f/(16/Re)を導入したAsinoの解析に基づいて導出された関係式と±20%の誤差範囲で相関された.らせん状に巻きつけられたフィンは,波長の短い液膜厚さの変動を伴う液膜流れを発生した.膜レイノルズ数500–2500の領域において,変動する液膜厚さの周波数は0.3–3 Hzで平滑管の1/10程度であった.液膜流れの波長は25–30 mmと平滑管上の流下液膜の波長55–120 mmと比較して短い.したがって,単位長さあたりに分布する波動の密度は,平滑管の1.8–4.8倍と大きい.平均液膜流下速度と波動速度は膜レイノルズ数の関数として表わされた.膜レイノルズ数が増加するにつれて波動速度の平均液膜流下速度に対する比は,針状フィンが一列巻きつけられたシングル巻き管では1.3,二列巻きつけられたダブル巻き管では2に漸近した.これらのらせん状フィン付き管の液ホールドアップを表す無次元液膜厚さは膜レイノルズ数の関数としてEqs. (19)–(21)で相関された.

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