硫酸,硝酸およびクエン酸を用いたコバルト酸リチウムの水熱酸浸出

  • 相川 達也
    東北大学大学院環境科学研究科
  • 渡邉 賢
    東北大学大学院環境科学研究科 東北大学大学院工学研究科 附属超臨界溶媒工学研究センター
  • 相田 卓
    東北大学大学院環境科学研究科
  • Smith Jr. Richard L.
    東北大学大学院環境科学研究科 東北大学大学院工学研究科 附属超臨界溶媒工学研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Hydrothermal Leaching of LiCoO<sub>2</sub> with Sulfuric Acid, Nitric Acid, and Citric Acid
  • リュウサン,ショウサン オヨビ クエンサン オ モチイタ コバルトサン リチウム ノ スイネツサン シンシュツ

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説明

<p>リチウムイオン電池は高容量かつ軽量であるために,電気自動車などにも使用され,需要が増加の一途を辿っている.その正極材料の一つであるコバルト酸リチウム(LiCoO2)の主要元素であるLiおよびCoは資源の偏在性や需要の増加などから,廃リチウムイオン電池から回収し,再利用することが望まれている.そこでLiCoO2の酸浸出に対し,条件を緩和しながらも完全に酸浸出するために水熱反応の適用を検討した.具体的には反応温度150–300°C,反応時間10–60 minで硫酸,硝酸そしてクエン酸を使用し,LiCoO2の水熱酸浸出を行いLiおよびCoの回収を検討した.その結果クエン酸添加系150°CでLiおよびCoを9割程度の高い浸出率で得ることができた.続いて,クエン酸が良好に浸出できた理由を考察するために,UV-visで浸出溶液を,またガスクロマトグラフィーで生成ガスを分析した.その結果,Coの3価の錯体が確認された.また生成ガス中にCO2の生成が確認されクエン酸が還元剤となっている可能性が示された.したがって,水熱条件でクエン酸を浸出剤とすることで,錯体形成および還元作用の双方の機能性のために,H2O2などの還元剤を添加することなく良好に浸出した可能性が示された.</p>

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参考文献 (14)*注記

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