アルカリ性水溶液におけるヒ素の吸着挙動

書誌事項

タイトル別名
  • Adsorption of Arsenic from Alkaline Solutions
  • アルカリセイ スイヨウエキ ニ オケル ヒソ ノ キュウチャク キョドウ

この論文をさがす

抄録

<p>ヒ素含有銅鉱物の湿式処理において,アルカリ性水溶液中のヒ素吸着分離挙動の把握が求められている.弱酸性から弱アルカリ性水溶液中におけるヒ素吸着については多くの研究がなされているが,アルカリ性域における知見は極めて乏しい.そこで,本研究では従来型の吸着剤(樹脂系および無機イオン交換体)に対して,アルカリ性水溶液中における3価および5価のヒ素吸着特性についてスクリーニング試験を行った.樹脂系吸着剤では,3価の亜ヒ酸イオンには配位型のグルカミン型樹脂が,5価のヒ酸イオンには強塩基性陰イオン交換樹脂が比較的高い吸着能を有していることが明らかとなった.X線吸収微細構造スペクトル解析より,グルカミン型樹脂による亜ヒ酸イオンの吸着はグルカミン基に多数存在する水酸基がヒ素に直接配位することで起こり,また,強塩基性陰イオン交換樹脂によるヒ酸イオンの吸着は陰イオン交換反応であることが示唆された.無機イオン交換体においては,水酸化物系および鉄酸化水酸化物系がアルカリ性水溶液中のヒ素に対して高い吸着能を有しており,ヒ酸イオンより亜ヒ酸イオンのほうが高い吸着性を示した.特に含水酸化セリウムはアルカリ性域においても3価および5価のヒ素に対して高い吸着能を有していることが明らかとなった.</p>

収録刊行物

被引用文献 (4)*注記

もっと見る

参考文献 (24)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ