ポリエチレングリコールを用いた相分離型反応プロセスにおける交流電界操作の影響解析

  • 松本 秀行
    東京工業大学大学院理工学研究科化学工学専攻
  • 梶内 円香
    東京工業大学大学院理工学研究科化学工学専攻
  • 寺西 幸子
    東京工業大学大学院理工学研究科化学工学専攻
  • 黒田 千秋
    東京工業大学大学院理工学研究科化学工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Application of AC Electric Field on Operation of a Phase-Separable Type Reaction Process Using Polyethylene Glycol
  • ポリエチレングリコール オ モチイタ ソウ ブンリガタ ハンノウ プロセス ニ オケル コウリュウ デンカイ ソウサ ノ エイキョウ カイセキ

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抄録

相間移動触媒としてポリエチレングリコールを用いた,3相分離型反応プロセスにおける交流電界操作の有効性を検討するために,液–液–液系安息香酸フェニル生成反応を対象に,交流電界操作下の第3相形成挙動の解析と流通式反応プロセス実験による第3相の反応性評価を行った.まず,ガラスセルを用いて,撹拌では第3相が形成されない操作条件下で高周波の交流電圧を印加すると,電極間より白濁した流体が生じ,水相–有機相の界面付近に白濁層が安定的に形成される挙動が見られた.また,水相中のフェノールに対する水酸化カリウムのモル比の増加とポリエチレングリコールの分子量の大きさが白濁層の形成速度を上昇させるという知見が得られた.<br>白濁層形成挙動に影響を及ぼす操作因子の解析結果より,交流電界操作における電熱の効果によって誘引される,電極付近のポリエチレングリコール相の局所的分離と自然対流が層としての相分離の促進をもたらしていると推察された.そこで,機械的撹拌によって形成される3相分離系に着目し,交流電圧印加操作のタイミングが第3相の反応性へ及ぼす影響を調べた.流通式反応器を用いた検討の結果,振とう混合操作後,第3相と水相の界面が明確になるまで静置させてから交流電圧を印加することで,高い選択率を得るために必要な静置時間を短縮することができた.

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参考文献 (28)*注記

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