陰イオン性界面活性剤による層状複水酸化物の機能化とその利用

  • 三好 貴之
    関西大学 環境都市工学部エネルギー・環境工学科
  • 吉井 功至
    関西大学 環境都市工学部エネルギー・環境工学科
  • 村山 憲弘
    関西大学 環境都市工学部エネルギー・環境工学科
  • 芝田 隼次
    関西大学 環境都市工学部エネルギー・環境工学科

書誌事項

タイトル別名
  • Modification of Layered Double Hydroxide with Anionic Surfactants and Its Application

抄録

陰イオン交換能を有するMg/Al系層状複水酸化物(Layered Double Hydroxide, LDH)を用いて,陰イオン性界面活性剤であるドデシル硫酸イオン(DS),ドデシルベンゼンスルホン酸イオン(DBS)およびオクタンスルホン酸イオン(OS)のインターカレーション挙動を調べた.LDHの層間距離におよぼす界面活性剤のイオンサイズや吸着量の影響を検討した.界面活性剤を吸着させた有機修飾LDHを水溶液中の有機化合物の吸着剤として利用することを目的として,6種類の有機化合物の吸着特性を調べた.<br>LDHによるDS,DBSおよびOSの吸着等温線は,低濃度域から立ち上がるLangmuir型の形状を示した.Langmuir解析の結果から,単分子層飽和吸着量はDBS>DS>OSの順に大きくなり,DBSの飽和吸着量はLDHの理論的な陰イオン交換容量(341 meq/100 g)とほぼ等しい.一方,吸着平衡定数はDS>DBS>OSの順に大きい.LDH層間での界面活性剤は,低い吸着量ではLDHの基底面に対して水平に配向するのに対し,吸着量が増加すると垂直に近い配向になった.このような配向性の変化が起こる吸着量の領域は界面活性剤の種類によって異なることがわかった.界面活性剤で修飾したLDHを用いた水溶液中のトルエンの除去率は,DBS>DS>OSの順に高い.DSにより修飾したLDHによる有機化合物の吸着等温線は,いずれもHenry型を示した.吸着等温線の直線の勾配KHは,有機化合物の疎水性の程度を示すオクタノール/水分配係数log PO/Wと対応することが明らかになった.

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被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (25)*注記

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