都市ごみ焼却飛灰からの酸浸出における主要・少量元素の溶出・析出が浸出挙動に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Influence of Dissolution and Deposition of Main and Minor Elements on Elution Behavior from Municipal Waste Incineration Fly Ash
  • トシゴミ ショウキャク ヒカイ カラ ノ サン シンシュツ ニ オケル シュヨウ ショウリョウ ゲンソ ノ ヨウシュツ セキシュツ ガ シンシュツ キョドウ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

都市ごみは,焼却により衛生的問題を生じずに容量を大幅に減少させることができるため,焼却処理されることが多い.特に途上国では今後焼却処理の割合が増えるものと期待される.しかしながら,焼却灰を埋め立て処理する際には,有害元素の溶出が懸念される.本研究では,カラムに都市ごみ焼却飛灰を詰め,硝酸による浸出透過実験を行った.いくつかの実験において,ある段階で急激なpH低下,透過速度の増大およびAl,Zn,Feといった元素の溶出濃度の急上昇がみられることがわかった.<br>この現象は次のように説明された.まず,主要元素であるCaが溶解し,浸出液のpHがカラム内で透過に伴い上昇する.このとき,Al,Zn,Feといった元素は,カラムの上部で一度溶解するが,カラムの下部でpHの上昇に伴い再析出する.このことにより徐々に透過速度が低下する.しかし,Caの溶出がほぼ終了し,pHが低下するとともに,析出物が再溶解し,これが透過速度の急激な増大をもたらす.<br>このような現象の発現は,灰の充填方法,すなわち水の事前添加・水和や,ひび割れの存在,充填密度・層高などに影響された.本報告でみられた現象は,長期間埋め立て場所からの重金属の溶出がみられていない場所でも,突然急激に溶出が始まることがあり得ることを示唆するものである.

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