風力発電電力利用水電解水素の変換・輸送方法の検討

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タイトル別名
  • An Investigation of the Conversion and Transportation of Hydrogen Produced by Electrolysis of Water using Wind Power
  • フウリョク ハツデン デンリョク リヨウスイ デンカイ スイソ ノ ヘンカン ・ ユソウ ホウホウ ノ ケントウ

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抄録

<p>再生可能エネルギー起源電力を長期保存や長距離輸送するには燃料に変換することが好ましいとされる.本研究では,再生可能エネルギー起源電力の燃料化について変換・輸送の最適方法を明らかにすべく,東海地方の風況適地に大型風車を設置し,得られた電力を水電解装置で水素変換後,①圧縮,②液化,③液化メタン,④有機ハイドライドのいずれかに変換し,消費地まで輸送した際のエネルギー効率と輸送行程のCO2排出量を評価した.東海地方の高風速が得られる6箇所に3000 kW級風車の設置を想定し,気象データから年間発電電力量を算出した.その電力を利用して水電解装置で水素製造した際の水素製造量に基づき,上記4種類の変換・輸送方法について比較検討した.その結果,上記4種類の変換・輸送方法のいずれについても,輸送距離の長い土地に風車を設置すると燃料消費量,CO2排出量,輸送による消費エネルギーが大きくなった.圧縮水素では輸送によるエネルギー損失の影響が認められたが,液化水素,液化メタン,有機ハイドライドではあまり認められなかった.また,エネルギー効率は,液化メタンの発熱量基準とした場合には,輸送距離が長いと液化メタンが,輸送距離が短いと圧縮水素が最もよくなった.一方,水素の発熱量基準では液化メタンのエネルギー効率は低下した.ただし,CO2排出量は輸送に要する液化天然ガス(Liquefied Natural Gas, LNG)タンクローリーの台数が少なくて済む液化メタンが最小となり,環境負荷が最も小さくなった.</p>

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