赤外線分光放射温度計の一提案とその評価

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タイトル別名
  • A Proposal for Spectroscopic Infrared Thermography and Its Estimation
  • セキガイセン ブンコウ ホウシャ オンドケイ ノ イチ テイアン ト ソノ ヒョウカ

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抄録

本研究は,これまで提案した三色放射温度計に放射率比なる物理量を導入することで計測原理の適正化を図り,温度計測の高精度化と汎用化を意図したものである.すなわち,3種類の赤外フィルタで分光された赤外線が検知する放射率を実験値に基づいて一定の割合(放射率比)で線形モデル化し,同定した線形近似式を計測原理に組み込んだ計測系を構築した.ここでは,周囲の温度環境に依存する外部熱源,計測角度,あるいは各種表面性状などが温度計測に及ぼす影響について実験的に評価した.その結果,提案した三色放射温度計測法は,常温域や常温域に比較的近い中温領域における低放射率物体表面の温度計測に有効であることが確認できた.この計測法は,さまざまな生産プロセスや化学プラントの温度管理など,従来の接触式や非接触式センサでは計測が困難な体系に対しても広範囲に利用できるものと期待される.特に,計測対象の放射物性に関するデータベースをあらかじめ構築しておけば,より精度の高い温度計測が可能となろう.

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