中国での低温乾式脱硫プロセスに適合する新規脱硫剤の開発

  • 酒井 裕司
    工学院大学工学部 環境エネルギー化学科
  • 関 孝行
    工学院大学工学部 環境エネルギー化学科
  • 佐藤 清貴
    工学院大学工学部 環境エネルギー化学科
  • 陳 群
    工学院大学工学部 環境エネルギー化学科
  • 長本 英俊
    工学院大学工学部 環境エネルギー化学科
  • 定方 正毅
    工学院大学工学部 環境エネルギー化学科

書誌事項

タイトル別名
  • Development of New Desulfurization Agent Suitable for Dry Desulfurization Process at Low Temperature in China
  • チュウゴク デ ノ テイオン カンシキ ダツリュウプロセス ニ テキゴウ スル シンキ ダツリュウザイ ノ カイハツ

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抄録

近年,中国における大気汚染防止技術として新規乾式脱硫プロセスの開発が急務となっている.これまで開発してきたT-Tプロセスにおいて,より低温域で高脱硫率を得ることができ,アルカリ土壌改良剤として有効な脱硫副産物が得られるような新規脱硫剤の開発が要求されている.そこで本論文では,従来の脱硫剤であるFLASHよりも脱硫性能の高い新規脱硫剤としてZeolite+CaOを検討した.その結果,473 Kの低温にて反応時間全体での脱硫率が72.0%という結果が得られた.この理由として,ゼオライトの比表面積が大きいことによるCa(OH)2の吸着量の増加が関係していると考えられる.さらに,試料作製時におけるCaOと担体との投入順序の入れ替えにより,FLASH,Zeolite+CaOともに脱硫率が向上した.新規FLASH,新規Zeolite+CaOとともに従来型よりも高い脱硫率を得ることができ,FLASHでは473 K,623 Kにおいてそれぞれ32.4%,74.9%の脱硫率を,Zeolite+CaOでは523 Kにおいて84.1%の脱硫率を得ることができた.この原因として,Ca(OH)2が均一に存在している溶液中に担体が投入されたことで比表面積が増加したためと考えられる.さらに活性化エネルギーの値から投入順序の変更により反応活性が向上していることを確認できた.そして,FLASH,Zeolite+CaOの従来型,新規型すべての脱硫後の化合物においてアルカリ土壌改良剤に有効な石膏の含有を確認できた.

収録刊行物

参考文献 (22)*注記

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