浸透流式飼料イネ人工湿地における温室効果ガスの直接および間接排出

書誌事項

タイトル別名
  • Direct and Indirect Greenhouse Gas Emissions from Vertical Flow Constructed Wetland Planted with Forage Rice
  • シントウリュウシキ シリョウ イネ ジンコウ シッチ ニ オケル オンシツ コウカ ガス ノ チョクセツ オヨビ カンセツ ハイシュツ

この論文をさがす

抄録

浸透流式飼料イネ人工湿地からのメタン(CH4)および亜酸化窒素(N2O)の排出量を直接および間接排出源ごとに評価した.直接排出源の評価として,湿地表面から大気への排出フラックスを,間接排出源の評価として,浸透流出水中の溶存ガス濃度をモニタリングした.CH4-Cの排出フラックスと浸透流出水中の濃度はそれぞれ既往の排水処理の人工湿地およびその他排出源よりも低かった.N2O-Nの直接フラックスは,排出および人工湿地への吸収が見られ,それぞれの平均フラックスは17.7±18.8(サンプリング回数41回のうち14回)および−18.9±15.2 μg-N·m−2·h−1(サンプリング回数41回のうち13回)だった.浸透流出水中の溶存N2O-N濃度は0.43–10.4 μg-N·l−1の範囲で推移し,土壌間隙水中のNO3-N濃度と有意な正の相関を示した.実験期間中における全排出量(直接排出量+間接排出量)に対する間接排出量の割合は,CH4-Cが2.9%だったのに対し,N2O-Nは86.7%だった.N2O-Nの間接排出による排出係数(EF5g)の範囲は0.00053–0.0086 kg N2O-N·(kg-N leaching/runoff)−1であり,文献に見られる主な間接排出源と同等であった.これらの結果から,浸透流式人工湿地においてはN2Oの間接排出のモニタリングおよび制御が重要と考えられた.

収録刊行物

参考文献 (65)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ