データストレージ用磁気テープの熱安定性(ヘッド・媒体および一般)

書誌事項

タイトル別名
  • Thermal Stability of Data Storage Tapes Prepared from Ultrafine Particles

この論文をさがす

説明

平均体積(V_<phy>)が小さい(約2000-5000nm^3)針状メタル(MP)および六板状Ba-ferrite(BF)粒子を用いたデータストレージ用磁気テープに関して,残留磁化(M_r)で規格化した磁化の時間(t)減衰{ΔM/(M_r×log t}の減磁界依存性および保磁力(H_c)に対する揺らぎ磁界(H_f)の比と(H_c)の温度係数{α(H_c)}との関係を検討した.MPテープに関しては,粒子の配向度(OR)がΔM/(M_r×log t)および活性化体積(V_<act>)に及ぼす影響も調べた.V_<phy>が特に小さいMPおよび実験に用いた全てのBFテープのH_f値は,減磁界の大きさによって大きく変化する.V_<phy>が同じ場合,BFテープのΔM/(M_r×log t)およびH_fはMPに比べて特に大きい.いずれの磁気テープもV_<phy>が小さくなるほどΔM/(M_r×log t)が増大し,熱安定性上重要なα(H_c)はH_f/H_cの増加と共に大きくなる.V_<phy>が大きいMPテープでは,ΔM/(M_r×log t)はORの向上に従い低減するが,V_<phy>が小さい場合は不可逆磁化率の低減が難しいため,ORの改善による効果は少ない.超常磁性微粒子(約700nm^3)の存在が影響していると思われる.低減磁界におけるV_<phy>値とは無関係に,ORの改善に従い媒体ノイズに比例するV_<act>は小さくなる.V_<phy>が特に小さなMPおよびBFテープのΔM/(M_r×log t)を減少させるためには,H_fを低減させる考案および異方性磁界とその分布の影響を受けるH_cを向上させることが重要である.

収録刊行物

参考文献 (22)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ